2020年1月からの最低賃金引上げについて
今回は2020年1月からの最低賃金引上げについてです。2020年1月から日額で5-6バーツの引き上げとなります。さすがに選挙公約の100バーツの引き上げにはならず、会社側としては安心された方も多いかと思います。ビザ手続きでの雇用要件が求められる会社では、最低賃金に満たないとタイスタッフの人数としてカウントがされませんので、1月以降注意して頂ければと思います。
直近の最低賃金引き上げの動向をみますと、2017年1月から、全国一律300バーツ/日であった最低賃金が都県別の最低賃金に変わりました。都県別の他には職種別の最低賃金も設定されています。3年間最低賃金の引き上げがなかったのですが、選挙の際には100バーツの引き上げなどの公約も出ており、政労使での協議が難航したものをみられます。ようやく2019年12月6日の政府、労働者、使用者の団体で構成する中央賃金委員会で承認され、12月11日に政府の閣議決定がされました。今回は都県によって5-6バーツでの引き上げとなり、例えばバンコクでは325バーツから331バーツに6バーツ引き上げられています。
336バーツ(2県)=チョンブリ、プーケット
335バーツ(1県)=ラヨン
331バーツ(6都県)=バンコク、ナコンパトム、ノンタブリ、パトゥムタニ、サムトプラカン、サムトサコ ン
330バーツ(1県)=チャチュンサオ
325バーツ(14県)=クラビ、コンケン、チェンマイ、トラード、ナコンラチャシマ、アユタヤ、パンガー、 ロッブリ、ソンクラ、サラブリ、スパンブリ、スラタニ、ノンカイ、ウボンラチャタニ
324バーツ(1県)=プラチンブリ
323バーツ(6県)=カラシン、チャンタブリ、ナコンナヨク、ムクダハーン、サコンナコン、サムトソンク ラーム
320バーツ(21県)=カンチャナブリ、チャイナート、ナコンパノム、ナコンサワン、ナーン、ブンカー ン、ブリラム、プラチュアブキリカン、パタルン、ピサヌローク、ペチャブリ、ペチャブン、パヤオ、ヤソトーン、 ロイエット、ルーイ、サケオ、スリン、アントン、ウドンタニ、ウタラディット
315バーツ(22県)=カンペンペット、チャイヤプーム、チュムポン、チェンライ、トラン、ターク、ナコ ンシタマラート、ピチット、プレー、マハサラカーム、メーホンソン、ラノン、ラチャブリ、ランパン、ランプ ン、シーサケート、サトゥン、シンブリ、スコタイ、ノンブアランプー、ウタイタニ、アムナーチャロン
313バーツ(3県)=ナラティワート、ヤラー、パッタニー
タイの最低賃金は日額になり、タイでは月給者の計算は営業日や暦日数ではなく30日を使用するため、バンコクの場合は331バーツ×30=9,930バーツが最低賃金の月額になります。
社員の方の給与が最低賃金で設定されている場合には、2020年1月から変更が必要となります。また、基本給を最低賃金またはそれに準じた水準で設定されている会社では後から入社した社員との差がつきにくくなるケースも出てきますので、他の社員の方の給与見直しなどもする必要が出てきます。
なお、タイはBOI企業でない現地法人の場合には、ビザ延長申請の際に外国人1名につきタイ人4名の雇用が求められています。タイ人4名の雇用要件は日割り計算や欠勤控除などでの計算後の金額が最低賃金以上である必要がありますので、1月以降のビザ延長申請の際には事前に個人所得税と社会保険料の申告を確認しておくことをお勧め致します。
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長澤 直毅
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