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タイの前払源泉税を無駄にしないための利益水準について

今回はタイの前払源泉税を無駄にしないための利益水準についてです。サービス関係の支払い時に源泉税を控除して税務署に支払っているかと思いますが、サービス事業者にとってこの源泉税は前払法人税扱いになり、法人税の申告時に相殺となります。ところが、利益が出ていても一定の利益率にならないと全額相殺が出来ずに税務調査を経て還付をするか、費用化しなければいけないことが多くあります。今月は12月決算の会社は中間申告の準備をするタイミングかと思いますので、利益計画を作る際の1つの参考として頂ければと思います。

 

サービスを行っている会社では、お客様からの代金回収時に、全額回収されずに源泉税が控除されて入金されているかと思います。同社としては、この源泉税は前払法人税として資産計上されています。資産計上されているということは、どこかのタイミングで現金化されるものというのが原則的な考え方となります。一つは、法人税の申告をしたときに本来払うべき法人税額から前払税金分を控除して支払うことが出来るため間接的に現金化出来ます。もう1つは、法人税額が前払税金分よりも少ないため還付請求して現金化するパターンです。還付請求をする場合には、税務調査が入ることが多くなっています。この2つのいずれも出来ない場合、しない場合には現金化が出来ないため資産を落とす(費用処理する)必要があります。

 

特に立ち上げたばかりの会社では、法人税よりも前払税金の方が多く、しかも前払税金の超過額(還付可能額)が少額である場合、税務調査を避けるために還付請求せずに費用化するケースも多いかと思います。ただし、そのような会社であっても将来的には前払税金の超過がないようにしたいと考えているのではないでしょうか。

 

一般的なサービスにかかる源泉税率は3%ですので、それほど高額ではなく将来利益がしっかり出てくればすべて相殺が可能と考えてしまうことが多いと思います。しかし、この3%というのは売上高の3%となりますので、税額とすると意外と大きな比率と考えられます。

 

例えばサービス業で年間の売上高が2,000万バーツ、純利益率(ここでは純利益が税務上の課税所得とイコールとします)が10%の会社では、課税所得が200万バーツで法人税率20%をかけると40万バーツが年税額になります。

 

売上高(総収益):2,000万バーツ

純利益(課税所得):200万バーツ

法人税(年税額):40万バーツ

※法人税は中小企業(払込資本金が500万バーツ以下、かつ事業年度の総収益が3,000万バーツ以下の法人)には以下の特例があります。

法人所得:税率(累進課税)

300,000バーツ迄:非課税

300,000-3,000,000バーツ:15%

3,000,000バーツ超:20%

 

この会社の前払法人税はいくらかというと、収益がすべてタイ国内での一般的なサービスと過程すると、2,000万バーツの3%の60万バーツとなり、法人税の年税額40万バーツを超過し、20万バーツが還付か費用化する必要が出てきます。

 

以下の方程式の通り、前払法人税と年税額がちょうど一致するためには、15%の利益率がある必要があります。

 

売上高×利益率(X)×法人税率(20%)=売上高×源泉税率(3%)

利益率X=15%

 

販売とサービスの両方の事業がある会社では、販売にかかる収益には源泉税が発生しませんので、サービスのみ行う企業と比較すると前払法人税の相殺がしやすくなるかと思います。サービス業の利益率は業態により異なるところですが、タイの税制を考えると15%の利益率を1つのターゲットにしたいところかと思います。今月は12月決算の会社は中間申告の準備をするタイミングかと思いますので、利益計画を作る際の1つの参考として頂ければと思います。

 

 

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米国公認会計士(inactive)

社会保険労務士

長澤 直毅

 

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