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退職金積立制度(プロビデントファンド)と定年時の退職金

今回はタイの労務に関するテーマとして、プロビデントファンド(退職金積立制度)と定年退職金について取り上げます。

 

最近のタイの労務のトピックとして、従業員の退職に関わるプロビデントファンドと定年退職金にかかる改定が予定されており、コストが増加する可能性があります。

 

まず、タイのプロビデントファンドの概要を説明します。プロビデントファンドは、福利厚生の一環として会社が一定の料率を設定し、会社及び従業員がそれぞれ掛け金を支払い、掛け金の運用に応じて、退職時に給付を受け取る制度です。原則的には全従業員が対象ですが、従業員は加入をしないという選択も出来ます。

 

掛け金の料率は、月の給与額の3%~5%が一般的です。勤続年数が一定の年数を超過する場合に、掛け金の料率を変更するというオプションもあります。例えば、勤続年数が1‐5年の従業員は3%、5年超の従業員は5%などのように設定が可能です。

 

プロビデントファンドの運用会社により、積立金の運用はリスク・リターンに応じていくつかのタイプに分けられています。ハイリスク・ハイリターンの例としては、積立金のうち30%は定期預金として一定の利息程度のみとし、残りの70%は各種投資による運用で成績に応じたリターンとするケースがあります。ローリスク・ローリターンの例としては、積立金のうち90%を定期預金として、残りの10%を各種の投資で運用するケースがあります。

これらの運用パターンの種類はプロビデントファンドの運用機関により異なっています。日系企業ではローリスク・ローリターンを選択する企業が多くなっているようです。

 

このようなプロビデントファンドは、これまで会社が任意で設定する制度でしたが、2018年より100人以上の会社では3%以上の掛け金(会社・従業員各々3%)でプロビデントファンドの制度を設けることを強制的に適用する予定です。掛け金は将来的に引き上げられていく予定で、対象企業については小規模企業も将来的に適用がされる方針です。

 

さらに、17年1月4日の閣議で、退職金の法制化について承認をしました。会社都合で解雇する際に支払う解雇補償金と同等の金額を定年退職金として支給するという内容です。参考として、解雇補償金の支給基準を以下に記載します。

 

勤続期間

手当金額

120日以上1年未満

退職時の賃金の30日分

1年以上3年未満

退職時の賃金の90日分

3年以上6年未満

退職時の賃金の180日分

6年以上10年未満

退職時の賃金の240日分

10年以上

退職時の賃金の300日分

 

現時点では未確定な要素もありますが、制度の詳細や開始時期などは今後の動向を追っていく必要がありそうです。

 

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米国公認会計士(inactive)

社会保険労務士

長澤 直毅

 

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