電子データによる契約締結時の印紙の添付と印紙税の申告・納税について
今回はタイにおける電子データによる契約締結時の印紙の添付と印紙税の申告・納税についてです。7月1日発効の通達で電子データによる契約等についても、印紙税の対象になることが明記されました。今後は電子データでの契約等で印紙税の対象となる場合には、歳入局ホームページで納税またはオンラインバンクで歳入局の口座に送金をする必要があります。19年7月1日~20年12月31日の期間は暫定的に歳入局の管轄事務所での納税が可能となります。
これまで印紙税の対象は印刷され原紙で管理された契約書を対象としていましたが、19年6月24日の通達により、7月1日発効の通達で電子データによる契約等についても、印紙税の対象になることが明記されました。
請負契約や借入(金銭消費貸借契約)など契約の内容により印紙税の税率が異なりますが、契約内容と印紙税率は原紙の契約書等にかかる印紙税と同じ取り扱いとなり、以下のようになります。
契約内容 |
印紙税率 |
不動産賃貸借契約 |
0.10%(1,000バーツにつき1バーツ) |
株式譲渡契約 |
0.10%(1,000バーツにつき1バーツ) |
ハイヤーパーチェス契約 |
0.10%(1,000バーツにつき1バーツ) |
請負契約 |
0.10%(1,000バーツにつき1バーツ) |
金銭消費貸借契約 |
0.05%(2,000バーツにつき1バーツ) ※上限1万バーツ |
総会にかかる委任状 |
1回の総会にかかる委任:20バーツ 2回以上の総会にかかる委任:100バーツ |
保証契約 |
10,000バーツ超の場合:10バーツ ※金額により異なる。 |
原紙の契約書では、契約書を正副作成する場合、正本は上記の通りの印紙税率となり、副本は正本にかかる印紙税が5バーツ以下の場合は一律1バーツ、5バーツ超の場合は一律5バーツとなります。電子データで副本がない場合には、正本にかかる印紙税のみが対象となります。また、電子データを単なるコピーとして保管する場合の取り扱いについては、原紙の場合で副本を単なるコピーとして保管する場合に印紙税の添付は不要であったため、同様に印紙税の添付は不要であると考えられます。
今後は電子データでの契約等で印紙税の対象となる場合には、歳入局ホームページで納税またはオンラインバンクで歳入局の口座に送金をする必要があります。ただし、19年7月1日~20年12月31日の期間は暫定的に歳入局の管轄事務所での納税が可能となります。印紙税については、申告遅延あるいは申告がされていない場合、ペナルティがありますので留意が必要です。
電子データによる契約は認められているものの、タイでは監査や税務調査で印刷したものが求められるなどの実情があります。Tax Invoiceや源泉徴収票の電子化がされれば契約書の電子化も普及するかもしれません。
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米国公認会計士(inactive)
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長澤 直毅
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