海外へのサービス等支払い時の源泉徴収票について

今回は海外へのサービス等支払い時の源泉徴収票についてです。海外の受け取り側で源泉税をコストにしないために必要になる書類となりますので、適切な申告を行うことと源泉徴収票の取得が必要となります。源泉税率はサービスの内容と相手国によっても変わってきますので、タイの歳入法と租税条約を適切に参照することが大切になります。必要となる源泉徴収票もタイ国内の企業同士の取引で使われるタイ語の源泉徴収票とはフォーマットが異なり、歳入局発行のものが必要となる点も注意が必要です。
タイ法人から外国法人にサービス料等を支払う場合には、支払名目により例えば以下のように源泉税がかかります。
内容 |
源泉税率 |
配当 |
10% |
利子 |
15% |
サービス料 |
15% |
ロイヤルティ |
15% |
なお、上記の税率はタイの歳入法での税率となりますが、タイと支払相手の企業の居住地の国とで租税条約(DTA: Double Tax Agreement)がある場合には、税率が減免される場合があるため、租税条約の参照も必要となります。例えば、上記のように海外への利子支払い時には15%の源泉税率が適用となりますが、日タイ租税条約により日本の金融機関への利子支払い時の源泉税率は10%となっています。
<源泉徴収票フォーマット>
海外へのサービス料等支払い時には、タイ国内の企業同士の取引において発行するタイ語での源泉徴収票ではなく、こちらのタイ歳入局が発行する英語での源泉徴収票があって初めて受け取り側が外国税額控除をすることが可能となります。
サービス料の受け取り側は、この英語の源泉徴収票を受領することで、受け取り時と決算時にそれぞれ以下のような仕訳処理を行います。
<サービス料受け取り時>
(借)預金 xxx(源泉税控除後の入金額) /(貸)売掛金 xxx
前払法人税 xxx(源泉税額)
<期末決算時>
(借)法人税 xxx/預金 xxx(前払法人税相殺後の納税額)
前払法人税 xxx(源泉税額)
なお、タイの源泉税以外の前払法人税がある場合は、それらの税金も考慮が必要です。
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