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保有株式譲渡時の課税について

今回はタイの会社の保有株式の売却・譲渡時にかかる課税についてです。タイ国内・タイ国外の企業がタイ国内の別の企業の株式を保有しており譲渡する場合、それぞれについて課税の取り扱いが異なります。また、国によって(租税条約によって)もタイの源泉税の要否が変わってきます。取引先の株式を保有していて譲渡する場合や日本の親会社で保有する株式の譲渡をする際などには、キャピタルゲイン課税の取り扱いと源泉税の取り扱いにそれぞれ留意が必要です。

 

まず、保有する株式の譲渡時の課税については、キャピタルゲインが発生するかどうかがポイントとなります。キャピタルゲインは、保有資産を売却した際の簿価と売却価格との差額=売却益となります。売却価格が簿価と同額である場合や簿価を下回り損失が発生する場合には、キャピタルゲインにかかる課税は発生しません。

 

よくあるパターンとして、タイ国内の企業がタイ国内の取引先などの株式を保有しているケース、あるいは日本などタイ国外の企業がタイ国内の企業の株式を保有しているケースの2つかと思います。

 

<パターン1> タイ国内の企業がタイ国内の取引先などの株式を保有しているケース

51%タイ資本で構成されタイ企業となっているタイ国内の企業(A社)は、タイ国内の取引先(B社)の株式を保有しています。A社の保有する株式は、資本金200万バーツであるB社の株式の19%(38万バーツ)です。今回A社は保有するB社の株式を別のタイ企業(C社)に売却します。

 

売却価格がいくらになるか、売却益(キャピタルゲイン)が発生するかにより課税の有無が変わります。

 

・38万バーツで売却する場合:簿価=売却価格となり売却損益は出ません。

・19万バーツで売却する場合:売却価格19万バーツ ー 簿価38万バーツ = ▲19万バーツ(売却損)→法人税の確定申告時に損失として計上します。

・76万バーツで売却する場合:売却価格76万バーツ ー 簿価38万バーツ = 38万バーツ(売却益)→法人税の確定申告時に所得として計上します。

 

<パターン2> 日本などタイ国外の企業がタイ国内の企業の株式を保有しているケース

タイ国外の企業がタイ国内の企業の株式を売却する場合には、日本など国外でのキャピタルゲインの申告はそれぞれの国の税法に従い処理をすることになります。日本の場合、投資を事業として行うか、事業外で行うかにより申告方法が変わりますが、キャピタルゲインにかかる分離課税(通常の所得申告とは区分して課税・申告する)があります。

 

日本などタイ国外の企業がタイ国内の企業の株式を売却する場合でも売却価格がいくらか、売却益が発生するかによって課税の有無がかわる点は同様になります。

 

ただし、日本などタイ国外の企業がタイ国内の企業の株式を売却する場合でキャピタルゲインが発生する場合には、タイでの源泉税の控除の対象となります。

・76万バーツで売却する場合:売却価格76万バーツー簿価38万バーツ=38万バーツ(売却益)

C社がA社にB社の株式譲渡にかかる代金として76万バーツを送金する際に、キャピタルゲインの15%相当の源泉税を控除する必要があります(歳入法第70条)。ここではキャピタルゲインは38万バーツとなりますので、38万バーツ × 15% = 5.7万バーツ源泉税として控除します。したがって、売却価格76万バーツ ー 源泉税5.7万バーツ = 70.3万バーツが送金額となります。

 

当該15%の源泉税はタイの歳入局から英文での源泉徴収票を取得することが出来ます。一定の条件・上限に基づき日本などタイの国外でキャピタルゲインにかかる税金と相殺(外国税額控除)することが可能です。また、租税条約によりキャピタルゲインにかかる15%の源泉税が免除されるケースがありますので、タイと当該国との租税条約も確認する必要があります。例えば、タイ・シンガポールの租税条約ではキャピタルゲインにかかる課税金は所得を受ける会社の居住国に限定されていますので、シンガポールでのみ課税となりタイの源泉税控除は不要となります(日本・タイの租税条約ではそのような規定がなく、タイ国内法に基づきタイの源泉税の控除が必要となります)。

 

上記のように、取引先の株式を保有していて譲渡する場合や日本の親会社で保有する株式の譲渡をする際などには、キャピタルゲイン課税の取り扱いと源泉税の取り扱いに留意する必要があります。

 

なお、以下に記載するタイやASEAN加盟国の証券取引所に上場する一部の有価証券の売却、無利息の社債等の売却にかかるキャピタルゲインは例外的に非課税となりますが、日系企業でこれに該当する有価証券を保有するケースは少ないかと思います。

 

・タイ国証券取引所に上場されている株式をタイ国証券取引所で売却した場合のキャピタルゲイン、投資信託の売却によるキャピタルゲイン

・償還価格を下回る価格で最初に売り出された手形および債務証書を除き、無利息の社債、手形、債務証書の売却によるキャピタルゲイン

・ASEAN加盟国の証券取引所に上場し、ASEAN Linkを介して取引される有価証券(公債、社債、手形を除く)の売却によるキャピタルゲイン

 

記事の内容が貴社の実態に合わせてどのように取り扱われるかが不明な場合など、お困りのことがございましたらお気軽に下記メールアドレスまでお問合せ下さい。

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米国公認会計士(inactive)

社会保険労務士

長澤 直毅

 

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