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VAT対象取引とVAT対象とならない取引が混在する場合

今回はVAT対象取引とVAT対象とならない取引が混在する場合のVAT申告上の取扱いについてです。VATの取扱い上、課税取引、0%課税取引、非課税取引の3つに区分されます。このうち非課税取引となる収益計上がある場合には、仕入税額控除の取扱いについても留意が必要となります。仕入税額控除できるのでコストにならない、と思っていたところ思わぬコストとして発生するケースもみられます。

 

まず、課税対象取引は歳入法で以下のように規定されています。

<課税対象取引>(歳入法77/2条)

(1)事業者による物品販売またはサービス提供

(2)事業者による物品の輸入

 

タイ国内で通常の物品販売、サービス提供をする場合には、InvoiceにVATを加算して請求し、物品の場合はInvoiceと併せて、サービスの場合にはReceiptと併せてTax Invoiceを売り手が発行します。このTax Invoiceが仕入税額控除のための証憑となります。サービスについては、使用される場所がタイ国内である場合には、サービス提供がタイ国内であったものとみなして国内取引同様にVATをInvoiceに加算する必要があります(国外の顧客側はVATをコストとして負担することになります)。物品の輸入については、通関申告時に関税と併せてVATの支払いをし、この証憑をもって仕入税額控除が可能です。なお、サービスの輸入の場合には、サービスの輸入者(タイ国内の顧客側)がPP36として歳入局に別途申告が必要となります。

 

次に、0%課税取引と非課税取引の違いは、月次VAT申告の取扱いと仕入税額控除にあります。0%課税取引のVAT税額はゼロとなるものの月次のVAT申告上に取引として記載必要となり、当該取引にかかる仕入VATは仕入税額控除の対象となります。一方、非課税取引については毎月のVAT申告に含める必要がありませんが、当該取引にかかる仕入VATは仕入税額控除の対象とならず、コストになります。

 

0%課税取引と非課税取引については、以下のように規定されています。

<0%課税取引>(歳入法80/1条)

・物品の輸出

・サービスの輸出

・国際連合等の専門機関および大使館・領事館に提供される物品またはサービスの販売

・飛行機または船舶による国際輸送サービス

 

<非課税取引>(歳入法81条)

・動物及び食肉の販売

・動植物用の肥料、薬品または化学品および動植物用の殺虫剤の販売

・魚粉および飼料の販売

・国内輸送および陸上国際輸送

・不動産のリース

・新聞、定期刊行物および教科書の販売

・近代医療、監査および法律分野における専門的サービスの提供

・病院によるサービス

・特定事業税により課税される事業

これらの取引は非課税取引となりますので、当該取引にかかるInvoiceにはVATが加算されません。身近なところでも、会計監査のInvoiceにはVATが加算されていない、毎月の地代家賃のInvoiceがRentalとServiceに区分されているケースではRentalはVAT加算されずServiceのみVATが加算されている、などがみられるかと思います。

 

このように非課税取引というのは課税取引、0%取引とは区分されており、特に大きな相違点は上記の通り、当該取引にかかる仕入VATは仕入税額控除の対象とならないという点になります。ところが、収益と原価が対応していれば明確に区分することが出来るものの、仕入VATには販売管理費にかかる支払VATも含まれるために明確に区分ができないケースがあります。このように仕入VATが課税取引、非課税取引双方に関連する仕入取引であると考えられる場合には、仕入税額を課税取引と非課税取引の比率で案分計算して仕入税額控除をする必要があります(歳入局通達29号)。

 

例えば、課税取引、非課税取引双方に関連する仕入税額が10,000発生しており、課税取引が70%、非課税取引が30%である場合には、10,000×70%=7,000のみ仕入税額控除することができ、残りの10,000×30%=3,000については仕入税額控除することが出来ずにコストになります。社内で非課税取引がある場合、またその比率が高い場合、将来的には課税取引が多くなるものの立ち上げ段階で非課税取引の比率が高い場合、などのケースでは歳入局から本通達を適用するように指摘を受けるケースもみられ、仕入VATの一部が思わぬコストになる可能性がありますので注意が必要となります。

 

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info@bm-ac.com

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BM Accounting Co., Ltd.

BM Legal Co., Ltd.

President

米国公認会計士(inactive)

社会保険労務士

長澤 直毅

 

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