Notice: Undefined offset: 0 in /home/myhomese/domains/businessmanagementasia.com/public_html/page/news.php on line 46

PE認定リスクとリスク回避例

今回はPE認定リスクとリスク回避例についてです。最悪のケースでは二重課税となることもありますので、どのようなケースで認定されるかのパターンを把握し、実態としてPEが無い場合には無用な指摘を受けないように回避策を講じることが大切かと思います。

 

本来外国企業が国を超えて事業を行う場合には、海外に法人や支店などのある場合に、海外での法人税の申告やVAT申告が必要となります。ところが、実態としては事業を行っていても法人や支店を持たずに事業を行うケースはあり、これが課税逃れにつながっている場合もあります。

 

このように実態としては事業を行っていても納税が必要ではない場合、法人・支店を設置して事業を行っている企業と公平な環境での競争ではなくなってしまう恐れがあります。そのような不公平感をなくすための税制の一つに、PE(Permanent Establishment:恒久的施設)認定とそれに伴う事業所得の申告・納税があります。

 

例えば日本の企業がタイにおいてPE認定されると、タイの法人税申告の提出と納税が求められます(タイ歳入法76条Bis)。申告する所得の範囲はタイ国内源泉所得となりますが、例えばタイ国内で資産の譲渡等から所得が生じている場合、人的役務提供の対価がある場合などがあります。

 

当該企業は日本での法人税申告を行いますので、タイで申告する所得範囲について既に日本で申告・納税をしているケースが多くなります。その場合、日本の法人税から外国税額控除とすることが出来ますが、適切な外国所得税と認められない場合には控除が出来ずに二重課税となる可能性も考えられます。

 

日タイ租税条約においてPEに含まれるものとしては、事業の管理の場所、支店、事務所、工場、作業場などが含まれるとされています(日タイ租税条約5条)。一方、PEに含まれないケースとしては、行っている業務が補助的な業務である場合、あるいは独立した代理人である場合などがあります。取り扱う商品や仕入先選定などの観点で専属ではなく独自に事業を行うことができ、事業制限などが存在しない場合には独立した代理人と考えられます。

 

例えば日本企業がタイの企業と販売契約を締結する場合に、当該タイ企業が日本企業のタイにおける専属的な代理人であり共同事業者であると見なされると、PE認定されるリスクが高まります。このリスクを回避するためには、販売契約の中で以下のような文言を記載し、独立した事業者であることを明示する必要があります。

 

The relationship between the Supplier and the Purchaser in this Agreement shall be solely that of a seller and a buyer.

the Supplierやthe Purchaserという言葉の定義は契約書内でつけることと思いますが、それとは別の観点で、両者は単に商品の売り手と買い手の関係である、つまりそれ以上の事業制限などはなくそれぞれが独立した事業者であるという表明になります。

 

上記は一つの例になりますがPE認定がされるパターンはいくつかありますので、それぞれの観点からリスクを想定し、適切な回避策を講じる必要があるといえます。

 

なお、PE認定がされない場合であっても、事業所得以外の配当・利息・使用料(ロイヤリティ)などについてはタイの歳入法及び日タイ租税条約に基づき、源泉徴収課税の対象となりますので、併せて留意が必要です。

 

記事の内容が貴社の実態に合わせてどのように取り扱われるかが不明な場合など、お困りのことがございましたらお気軽に下記メールアドレスまでお問合せ下さい。

info@bm-ac.com

http://businessmanagementasia.com/jp/home

 

BM Accounting Co., Ltd.

BM Legal Co., Ltd.

President

米国公認会計士(inactive)

社会保険労務士

長澤 直毅

 

※本記事に記載の内容は、作成時点で得られる法律、実務上の情報をもとに作成しておりますが、本記事の閲覧や情報収集については、情報が利用者ご自身の状況に適合するものか否か、ご自身の責任において行なっていただきますようお願いいたします。 本記事に関して発生トラブル、およびそれが原因で発生した損失や損害について、BM Accounting Co., Ltd,/BM Legal Co., Ltd.及び執筆者個人.は一切の責任を負いかねます。また、本記事は一部で外部サイトへのリンクを含んでいますが、リンクする第三者のサイトの個人情報保護の取り扱いや、そのサイトの内容に関して一切責任を負いませんのであらかじめご了承ください。

Back to List