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最新のプロビデントファンド(積立基金)の法案

今回は最新のプロビデントファンド(積立基金)の法案についてです。18年6月時点の法案を元にその概要と影響についてまとめました。2019年にも導入が予定され、まずは100人以上の会社、上場企業、BOI企業が適用となります。将来的に全企業に適用される予定の制度となりますので、法定福利費としての想定が必要となります。

 

まず、タイのプロビデントファンドはもともと任意の制度で福利厚生の一環として加入する企業もみられました。2018年から一部の企業を対象に強制加入になるという法案がありましたら、2018年からの導入は見送られていました。ただし、タイの少子高齢化社会は進んでおり、また法定の社会保障制度も十分に保障がされる制度ではありませんので、遅かれ早かれ導入されるものと考えられます。

 

強制加入となるプロビデントファンドの法案は2016年11月8日に閣議決定されており、直近では2018年の6月にタイ財務省により最新の法案が発表されています。今回はその最新の法案の概要と企業への影響をみていきたいと思います。

 

対象となる企業は、導入開始年度は従業員100人以上の企業及びBOI奨励適用企業、その後は人数が少ない企業にも適用されるスケジュールとなっています。仮に2019年から導入される場合、以下のスケジュールが予定されています。

 

2019年~:従業員100人以上の民間企業、上場企業及びBOI奨励の適用企業

2022年~:従業員10人以上の民間企業、上場企業及びBOI奨励の適用企業

2024年~:従業員を1人でも雇用するすべての民間企業

なお、上記従業員人数のカウントは、タイの法定の社会保険(SSF:Social Security Fund)の加入者数で判断されるものと考えれます。

 

また、導入開始年度から3年間は月給(上限6万バーツ)の3%以上ずつを会社と本人が負担(但のし月給が1万バーツ未満の場合会社が全額負担)となり、その後料率が引きあがる予定です。こちらも2019年に導入される場合、以下のスケジュールとなります。

 

2019~2021年:3%

2022~2024年:5%

2025~2028年:7%

2029年以降:10%

 

これまでの任意のプロビデントファンドでは、料率は月給の2-15%でしたが、強制加入のプロビデントファンドが3-30%の料率設定となる予定であり、今後はいずれのプロビデントファンドも上限を30%として統一される予定です。

 

既に任意のプロビデントファンドに加入している場合、強制加入のプロビデントファンドと条件が同等かそれ以上の場合、従来の加入済み制度で維持することが認められています。一方、下回っている場合には条件の引上げないしは強制加入のプロビデントファンドへの移行が求められます。

 

例えば従業員が5名でBOI奨励の適用企業で給与が以下のような場合の導入初年度の負担額をみてみましょう。

従業員A:月給80,000THB⇒60,000THB×3%(60,000THBの上限適用)

従業員B:月給50,000THB⇒50,000THB×3%

従業員C:月給45,000THB⇒45,000THB×3%

従業員D:月給25,000THB⇒25,000THB×3%

従業員E:月給20,000THB⇒20,000THB×3%

合計:200,000THB×3%=6,000THB/月(会社:従業員双方)

 

上記は導入初年度で、将来的に料率が増加する点に留意が必要です。特に最低賃金レベルのスタッフが多い場合、会社負担分が多くなります。今後の事業計画上は、法定福利費の増加として織り込んでおくのが望ましいかと思います。

 

なお、現状では社会保険に加入している人は全員プロビデントファンドへの加入が求められると考えられますので、日本人でも取締役ではないマネージャークラスは加入するものと考えられます。一方で、プロビデントファンドの支給は60歳以降(任意のプロビデントファンドは早期受給も可能)の受給となりますので、現在の法案を見る限りは、日本人の多くは掛け捨てになるものと考えられます。月給の上限60,000THBがあるものの、一定の金額での掛け捨ての費用負担が発生する可能性がある点には留意が必要です。

 

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米国公認会計士(inactive)

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長澤 直毅

 

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