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タイ新任者向け税務の留意事項

今回はタイの新任者の方向けに最低限把握していただきたい税務の留意事項です。留意頂きたい事項はたくさんありますが、その中でも特にという点のみピックアップしてまとめています。

 

<税務>

◆付加価値税(VAT)

基本的な考え方は日本の消費税と同じですが、Tax Invoice方式をとっているため、通常のレシートではなく、Tax Invoiceがないと、仕入税額が出来ずにコストになるため注意が必要です。海外からサービスを受けた際には、別途税務署にVAT申告・納税が必要です。こちらもタイ国内支払い時のVATと同様に仕入税額控除可能です。また、VAT登録が完了する前に支払った費用にかかるVATは仕入税額控除出来ずにコストになりますので、大きな支払いはVAT登録後とすることをお勧め致します。

 

輸出企業においてはVATの還付金額が累積することとなります。優遇事業者登録(原則:土地保有等が要件)を行うケースもありますが、そうでない場合は定期的な還付請求と税務調査対応が必要です。なお、0%課税取引や非課税取引も存在しますので、輸送業や食肉販売、医療などの事業では課税区分の事前確認が必要です。

 

◆源泉税(WHT)

日本では給与の支払い時に会社が源泉税控除、納税するケースがありますが、タイでは一般的なサービス全般の支払い時に源泉税を控除・納税する仕組みあります。誤って控除せずに支払ってしまうと、相手への返金を求める必要があり、最悪の場合返金を受けられずにコストになる可能性がありますので、特に初めのうちはサービスへの支払い時は注意が必要です。なお、月次税務申告のペナルティとして、加算税上限100%、延滞税1.5%があります。

 

<国内源泉税率>

支払利息       1%

広告料     2%

一般サービス(ロイヤルティ、コミッション、請負含む)          3%

賃貸料          5%

配当            10%

 

<国外源泉税率>※日本の場合、支払い相手の国との租税条約により異なります。

支払利息       15%

配当             10%

ロイヤルティ       15%

 

◆法人税の中間申告・確定申告

決算期末より8カ月目の月末までに中間申告(初年度は不要)、5カ月目の月末までに確定申告が必要となります。特に中間申告の金額により罰金が発生する可能性がありますので注意が必要です。

 

中間申告は推定所得(利益)に法人税率(通常20%)を掛けた年税額の半額を納税します。

中間申告期日までの月次決算による実績及び期末までの残りの期間の予算から推定所得を算出し、申告・納税する必要があります。中間申告での推定所得が年次確定申告時点での確定所得の25%を超えて下回る場合には、不足納税額の20%が罰金としてかかります。

 

例えば、以下のようなケースでは罰金が発生します。

中間申告時の推定所得:200万バーツ

推定所得に基づく年税額:200万バーツ×20%=40万バーツ

推定所得に基づく中間申告時の納税額:40万バーツ×1/2=20万バーツ

確定申告時の確定所得:400万バーツ(推定所得200万バーツは確定所得400万バーツの50%であり、25%を超えて下回っている)

確定所得に基づく年税額:400万バーツ×20%=80万バーツ

確定所得に基づく中間申告時に収めるべき納税額:80万バーツ×1/2=40万バーツ

不足納税額:40万バーツ-20万バーツ=20万バーツ

罰金額:20万バーツ×20%=4万バーツ

 

なお、前事業年度の所得に基づき計算した法人税額の半額以上の納税を行うなど、合理的な理由がある場合は、上記の罰金は不要となります。所得計算時には、営業損益だけでなく、為替差損益、利息収入・費用、固定資産売却損益などの営業外収益、特別損益も考慮する必要があります。また、上記の計算では法人税率は20%として計算していますが、中小企業(払込資本金が500万バーツ以下、かつ事業年度の総収益が3,000万バーツ以下の法人)には以下の特例があります。

 

<法人所得:税率(累進課税)>

300,000バーツ迄:非課税

300,000-3,000,000バーツ:15%

3,000,000バーツ超:20%

 

◆印紙税・看板税

マイナーな税金ではありますが、業務内容により契約書への印紙添付もしくは税務署への納税が必要です。契約書を正副作成するケースがありますが、その場合正本は下表の通りの印紙税率となり、副本は正本にかかる印紙税が5バーツ以下の場合は一律1バーツ、5バーツ超の場合は一律5バーツとなります。一方、副本ではなく単なるコピーとして保管する場合には、印紙税の添付は不要となります。2015年4月5日以降、100万バーツ以上の報酬である請負契約や契約期間の賃料総額が100万バーツである土地・建物等にかかる賃貸契約等の場合については、印紙の添付ではなく契約締結の翌月15日以内に申告・納税となります。会計事務所で契約書ごとに印紙税の確認が困難なケースがありますので、必ず自社のスタッフに確認をしてもらう必要があります。以下印紙税にかかるペナルティの金額になります。

 

・90日以内の遅延の場合は2倍もしくは1,000バーツあたりの単価4バーツのいずれか高い方(例:請負契約の場合は1,000バーツあたり単価が1バーツ(1,000バーツ×0.1%)となりますので2倍が2バーツとなり、4バーツ>2バーツのため4バーツが適用され、実質4倍のペナルティ)

・90日超の遅延の場合は5倍もしくは1,000バーツあたりの単価10バーツのいずれか高い方(例:請負契約の場合10バーツが適用、実質10倍のペナルティ)

・申告せずに歳入局からの指摘を受けた場合、上記6倍もしくは単価25バーツの高い方

(例:請負の場合25バーツが適用、実質25倍のペナルティ)

 

また、小売・飲食業などで社名の看板を外に掲げる場合、看板税の申告・納税が必要です。

契約内容        印紙税率

不動産賃貸借契約      0.10%(1,000バーツにつき1バーツ)

株式譲渡契約  0.10%(1,000バーツにつき1バーツ)

ハイヤーパーチェス契約    0.10%(1,000バーツにつき1バーツ)

請負契約        0.10%(1,000バーツにつき1バーツ)

金銭消費貸借契約      0.05%(2,000バーツにつき1バーツ)

※上限1万バーツ

総会にかかる委任状      1回の総会にかかる委任:20バーツ

2回以上の総会にかかる委任:100バーツ

保証契約        10,000バーツ超の場合:10バーツ

※金額により異なる。

 

◆交際費

タイでは交際費要件が厳しく、贈与品は1名・回あたり2,000THBまで、交際費の年間上限は資本金ないしは総収益いずれか大きいほうの0.3%となります。例えば、総収益が大きく年間の総収益が5,000万バーツの場合の上限額は15万バーツとなります。それを超える金額は損金不算入費用となります。

 

なお、飲食代などのレシートを交際費として処理する場合は、上述のTax Invoiceを受領する必要があります。レストランなどで都度依頼が必要となります。以下Tax Invoiceの必要記載事項です。また、Tax Invoiceはボールペンなどで記載をすると無効となりますので、メモを残す際はポストイットなどでの記載をお願い致します。

 

<Tax Invoice記載事項>

自社及び相手先の

・会社名

・住所

・Tax ID

・日付

・内容

・金額

の明記が必要です。

                          

記事の内容が貴社の実態に合わせてどのように取り扱われるかが不明な場合など、お困りのことがございましたらお気軽に下記メールアドレスまでお問合せ下さい。

info@bm-ac.com

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BM Accounting Co., Ltd.

BM Legal Co., Ltd.

President

米国公認会計士(inactive)

社会保険労務士

長澤 直毅

 

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