個人所得税の子供控除額にかかる改正について
今回は個人所得税の子供控除額にかかる改正となります。第二子以降の所得控除額が増える内容で、以前にもセミナーなどで今後の改正案で取り上げたことがありましたが、先月の官報で施行となりました。早速活用したいところですが、我が家は一人目がまだ8カ月目ですので、二人目はしばらく先になりそうです。また、労働法の改正(ビジネス休暇や解雇補償金の上限額の引き上げなど)は年内か年明けの官報に掲載される見込みです。こちらは改めてご案内致します。
2018年以降に出生した第2子以降の子供一人あたりの所得控除は、通常の子供控除30,000バーツに30,000バーツが加算され、合計60,000バーツとなります。2017年より人数制限がかくなり、少子化対策の一つと考えられます。
その他の主な個人所得税の所得控除をまとめると以下のようになります。
非課税所得 |
内容(年間) |
基礎控除 |
給与所得の50%、最高100,000バーツ |
本人控除 |
60,000バーツ |
配偶者控除 |
60,000バーツ |
子供控除 |
30,000バーツ/人(※)、2017年より人数制限なし。 |
生命保険料控除 |
保険期間10年以上のもの。最大100,000バーツ |
プロビデントファンド控除 |
最大500,000バーツ |
住宅ローン金利控除 |
最大100,000バーツ |
社会保険料控除 |
実額 |
父母扶養控除 |
本人又は配偶者の60歳以上の父母、30,000バーツ/人 |
父母健康保険料控除 |
控除を受けている父母のための健康保険料、最大15,000バーツ |
また、時限措置として法人税控除の優遇がいくつかでておりますので、併せて掲載致します。
<給与にかかる加算控除>
対象:以下の法人等;
労働者:200名以下
かつ
年間売上高:1億バーツ以下
2018年4月1日から2018年12月31日の期間で集計した1日あたり給与額(上限400,000バーツ)の50%を所得控除することが出来ます。1日あたり給与額は、実務上個人所得税申告時の給与額から算出するものと思われます。400,000バーツの上限が適用の場合、200,000バーツが所得控除されますので、法人税の減額は最大で40,000バーツになります。
<設立費用等にかかる加算控除>
対象:2018年に設立登記された以下の法人等;
資本金:500万バーツ以下
かつ
年間売上高:3,000万バーツ以下
設立費用、会計費用、監査報酬と同額を5会計期間加算控除することが出来ますので、課税所得額が減額となり、法人税が少なくなる可能性があります。一般的に会計費用や監査報酬は勘定科目を区分することが多くなっていますので、加算控除の処理は比較的容易にできるかと思われます。
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長澤 直毅
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